FINALIST

Plotter Drawing

深地宏昌(日本)

Category : ART
By 深地宏昌(日本)

Plotter Drawing

直筆表現、つまり「紙に直接鉛筆で描くこと」でしか生まれない良さがある。
そこに、デジタル制御という要素を加えて、新たな表現技法としたものが『Plotter Drawing』である。
筆記具を機械的に動かすことで、人の手で描けないドローイングが可能となり、そこにインキや紙質といったような外的要因を絡ませることで、質感を強調された画が生み出される。
『Plotter Drawing』の技法を用いれば、様々な対象物の直筆表現が可能になり、またそれらは版画的な意味で複製可能である。

http://j8f9k7h9.wix.com/plotter-drawing

制作プロセスと使用機材について

この作品では、カッティングプロッターを使用している。カッティングプロッターの装着アダプターを3Dプリンターで出力し、鉛筆、筆ペン、ボールペンなど、様々な仕様の筆記具を装着できるようにした。
この作品において、プロッターは「デジタルデータを物理的な動きに変換する道具」として使用している。加えて、機械が持っている描写速度と筆圧を調節する機能を駆使することで、多様な表現を生み出すことが可能となる。
デジタル制御、描写速度と筆圧のコントロール、筆記具と紙のコンディション、これらの要素を意図的に組み合わせることで今までにない直筆表現が可能となった。

JUDGES, COMMENTS

  • Quake Hsu

    Quake Hsu

    Quake Hsu
    Zeczec 共同設立者

    本作品を見て、映画『アイ,ロボット』のワンシーンを思い出した。ロボットのサニーが刑事に夢の内容を説明しようと、人間の動きを真似て手を使うシーンだ。観客はサニーの生物的な動きに、機械であるサニーがアート的な何かを作っている印象を受ける。『Plotter Drawing』は、まるでサニーのように、有機的な方法で絵を描く。できあがる絵は、ペンの磨耗や紙質の違いにより毎回違うものになる。クリエイターが「魅せるトラブル」と呼んでいるこのユニークな特性が、本作の美しさだ。機械がアートを作り出す可能性を示した作品である。

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