2017年度 審査結果発表受賞作品を見る

SEE
WINNERS

icon GENERAL AWARD

3D Weaver

3D Weaver

Oluwaseyi Sosanya /Sosa Fresh

Category : GENERAL
By Oluwaseyi Sosanya /Sosa Fresh (イギリス)

作品について

3D Weaverは、xyz座標データを用いて立体構造を織るための織機です。工具の移動量や移動速度など、数値によってコンピュータで運動制御をおこなうgコードを用いて作動します。普通の「織り」で用いられる縦糸の代わりに、チューブを使い、横糸をノズルを通じてチューブの周りに絡めて織ります。 3D Weaverを使うと、機械的特性をいかしたプログラムを入力できるため、用途に合わせて新しいタイプの織物を作ることができます。私は布地を人体のスケールで考えてきたため、ハイエンドのスポーツウェアやシューズなど、ウェアラブル分野で製品を作りました。

 

https://www.sosafresh.com/3d-weaver/

制作の動機

すべての織り構造は0と1で構成される二進法パターンに基づています。パターンを再配置することにより、様々な構造を作成することができます。
この織機はパターンの順序を管理できるように開発したため、大量に織物を製織することが可能です。一般的に織機は2次元で動作するため、標準的な織機で3次元構造を作成するには限界があり、非常に特殊なパターンを開発する必要が出てきます。新しい材料や表面処理、アプリケーションが日々開発される刺激的な繊維革新の時代に私たちが提案する構造の応用法は、衣類、履物、およびアクセサリーなどのカジュアルな日用品への使用が中心です。
カジュアルなデイリーウェアに応用可能な、革新的な新しい生地に対する需要は確実に高まっています。今後は、ミリタリー、スポーツウェア、カジュアルウェアの違いを調査することで、イノベーションの道が開かれる可能性も出てくるでしょう。

制作方法

ロイヤルカレッジオブアートにて、テスト用のリグとジグをつくり、織物のサンプルを作ってきました。しかし、自分が作りたい構造を作るためには、新しい方法が必要だと気づき、3軸に動く3D Weaverを設計しました。3D Weaverによって、様々な織り構造を作ることができ、研究を行うことができました。

使用方法

私はこのプロジェクトで、性質や機能を構造に組み込みたいと考えました。
最終的な目標は、このプロセスをスポーツウェアや着用可能な衣服に使用することです。柔軟性や可動性、保護性など、すべてを1つの材料とさまざまな構造で作り出したいと考えています。これは、衣類に対する新たしい提案であり、これまでのイメージを覆すことになるでしょう。既に、繊維状および布状の繊維製品は、インプラント、フィルターおよび外科用包帯として使用されています。ここ数十年間で医療用繊維製品は大きな発展を遂げて、新たなる触覚アプリケーションを提供しています。

使用したツール

Laser cutter, CNC milling machine, 3D Modeling and Design Software

JUDGES, COMMENTS

  • 田中浩也
    慶應義塾大学環境情報学部教授
    SFCソーシャルファブリケーションラボ代表

    これからの時代、新しいデザインを生み出すためには、新しい装置や新しい道具から創作する必要があります。 3D Weaverは、それを象徴する作品として選出しました。

  • Cleo Huet
    デザイナー
    Haute Ecole des Arts du Rhin 教授

    素材は、機械と同じくらい新しい研究の領域を開いてくれます。新しい研究分野との出会いというのはやはりワクワクするものですね。

  • 福原志保
    アーティスト
    BCL 共同創設者 、Poiesis Labs CEO

    ニッティングのテクノロジーはデジタルファブリケーションとも実は相性がいいと思いますね。この作品で何が面白いかというと、機材とフィラメントを開発したことです。Weavingと呼んでいるのもまた面白いですね。