Sisyphusは動的な彫刻であり、”楽器”です。楽器と違うのは、音を奏でる「トラック（曲）」ではなく、砂の上に「トラック（道）」を作り出すこと。砂の上を鉄球が動き、美しい模様が生まれます。鉄球は、砂の下にある磁石で動かしており、磁石はCNCでコントロールしています。

模様のファイルはプレイリストとしてコンピューターに入っており、一つの「トラック（道）」が完成すると、次の模様が始まり上書きされていきます。Sisyphusは、転がり落ちる岩を山の頂上まで永遠に押し上げるという、ギリシャ神話に登場するシシュフォスにちなんで名付けられました。本作品は、永遠に美しい模様を描き続けることでしょう。

http://www.sisyphus-industries.com/

Sisyphusは「禅の庭園を描く機械って作れるかな？」という冗談から始まった挑戦でした。1998年に完成したSysphusは、物をつくるために使われるCNCではなく、それ自体が動く彫刻となりました。その後の10年は、大型のSisyphus（直径3メートル）を作り、スイスやドイツ、オーストラリアの美術館に納めました。同時に家では、小型版をテーブルに入れてみたところ、すごく気に入ってしまいました。ここ４年間は、家庭用のものを世に送り出すことに注力しています。

「メーカースペース」という言葉が生まれるずっと前、私は自分のガレージを改造した工場でCNCを作っていました。本当は、彫刻を作るのに使用したかったのですが、CNCを作り修理するのにほとんどの時間を費やしていました。本物のメーカースペースで、問題なく常に動いている本物のCNCを使うチャンスに恵まれたことが、私の製作に大きく影響を与えました。レーザーカッターとCNCルーターを使うことで、大型のデザインも家庭用のデザインも、自分のアイデアをすぐに形にすることができました。

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