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バナナペーパーブランド, "Ashi"

Takuya Yamase, Yoshihiro Kitayama (Designer)

Banana paper brand “Ashi”

Description

バナナの茎をアップサイクルし、弊社独自の加工で耐水性・耐久性のある紙「亜紙」を開発し、その素材を使用したライフスタイルブランド。

Concept

私たちKumae Banana Paper Productsはカンボジアのシェムリアップ郊外のゴミ山があるアンルンピー村でバナナペーパーを作っています。生活インフラが十分に整っていないシェムリアップでは、観光や生活廃棄、工場廃棄物がアンルンピー村に運ばれてきます。そのゴミの中から、リサイクルできる物を売り生計を立てている人たちがたくさんいます。2014年末からゴミ山で作業している人たちに安心して働ける場所を提供しようと、バナナペーパープロジェクトを立ち上げ、村の中で雇用する事業を開始しました。

安心・安全な場所で雇用すると同時に、モノづくりを通して、昨今の生産、消費のシステムに疑問を呈したいという想いがあります。ゴミ山で生活についての聞き込み調査や雇用活動を続けていくうちに、ゴミを作り出している大量生産大量消費のせいで、そのシステムに全く関係のない村人の生活や健康が脅かされ、資本主義のシワ寄せをモロに受けている現状を知りました。

一方でアパレル業界を勉強するうちに、時代や流行によって売れなくなってしまうモノたちの行末やそれに携わる会社、人たちの苦悩も知りました。

弊社がモノをつくっている時点で矛盾をしているかもしれませんが、大衆に呼びかけるにはまずモノを作り出す者たちと同じ立場に立ち、私たちの想いの主張をしていきたいと考え、このブランドをつくりました。ゴミ山から垂れ流れる物質のせいでお米が作れなくってしまった現状も見てきているので、バナナペーパー工房では、バナナの茎から繊維を取り出し紙にする過程で化学薬品は一切使用せず、人の手で作れる商品を作っています。

また、バナナペーパーブランド ”Ashi”は、ひと時の流行や時代に左右されない、「普遍的なモノ」を表現したいと思い、私たちの生まれるもっとずっと前からある空をカラーコンセプトにしたという経緯があります。

山勢拓弥、北山義浩(デザイナー)

カンボジア

山勢拓弥(28歳)1993年東京生まれ、福岡育ち。高校卒業後、上京。平日は大学、週末は宮城県で震災ボランティアに携わる生活を1年続け、2013年4月にカンボジアに移住。10代で海外のゴミ山で活動する自分が格好いいというモチベーションで活動を続けていくうちに、仲良くなった人たちが本当に困っている事実を知る。ゴミ山を背景にバナナペーパー事業、日本語学校設立、ツアー事業やインターン受け入れ、「挑戦の連鎖」を生むコミュニティNFC KUMAE、好きだけで、牛タン屋さんをオープン。養鶏や農業、胡椒畑を村の中に作り、日々奮闘中。