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Museum for a future

Museum for a future

Olivia Guigue

Category : GENERAL
By Olivia Guigue (イギリス)

作品について

本作品は20世紀から21世紀のテクノロジーを含んでいる遺物を集めた考古学コレクションであり、「未来への博物館」である。オブジェクトはロンドンのテムズ川前浜の潮が引いた時に発見された。テムズ川の前浜は考古学的に見て重要であり自然と都市の中間ともいうべき場所で、潮の影響で遺物の劣化が早く、川に生息する動植物との接触で状態が変わってしまうケースも少なくない。今後こうした場所で収集したコレクションを科学博物館やメディア博物館で展示することも検討中だ。

制作の動機

計画された退廃と、人間の新しいものを欲する欲望のせいで、テクノロジーオブジェクトはますます時代遅れなものになりつつある。これは非常にもったいなく、我々の文明の残滓を変えていってしまう。この変化はすでに目に見えている。そこで「未来への博物館」は考古学的視点から、テクノロジーとコンシューマリズムによって退廃の一途を辿る我々の文明を表現する。

制作方法

本コレクションのオブジェクトは、長い時間をかけてテムズ川前浜で発見した電子装置などのオブジェクトだ。これは英語で”mudlarking”と呼ばれる作業だ。浜のぬかるみから価値のあるものを探し出す、もしくは単に地上に表出しているものを拾ったりすることをいう。アーティファクトはそれぞれテーブル上、もしくはショーケース内に飾られており、高解像度の写真とともに展示される。

仕様

テムズ川で発見された様々なサイズの電子装置などのオブジェクト
(最小10×25×3mm ~ 最大350×270×169mm)、カラー写真(70×80cm、35×40cm)。
展覧会の目的やコンテクストに応じて展示するコレクションの数を変えることができる。

JUDGES, COMMENTS

  • Julia Cassim
    京都工芸繊維大学
    KYOTO Design Lab. 特任教授

    頭の中にある遠い過去についての話である考古学や地理学の従来の概念を覆す、シンプルで詩的かつ説得力のあるプロジェクト。実際は、テムズ川によって作られたこれらの毒性をもつ遺物の青さびは、おそらく写真のような光沢のある美しさを失っているかもしれません。しかし、いかにして現代の消費者達の行いがこうした遺物に少しずつかつ確実に蓄積されていき、消費活動を支えた技術が滅びたあとも長く汚染し影響を及ぼすかを気付かせてくれます。この思慮に富んだプロジェクトは、ほぼ同じようにして環境を破壊することなく母なる大地に吸収されていった過去との対比を浮き彫りにしているのです。