応募期間 2019.8.1 - 10.31
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8.1-10.31

ENTRY

About YouFab

常識に挑む。常識に抗する。
常識をHackする。
そんなスピリットに溢れた挑戦に、
YouFabは強く期待します。

Conviviality

古いOSと新しいOSのはざまから
生まれ出てくるもの

世間を騒がせている事件や騒動を見ていると、古い時代のシステムがいよいよ限界を迎えているのだなという思いを新たにする。それがビジネスに関わることであろうが、文化に関わることであろうが、政治に関わることであろうが、小手先のアップデートではもはや対応できないような困難が次から次へと表出しては、システム全体の限界がさらに明らかになっていく。小さな問題だと思って改善に手をつけはじめたら、芋づる式に業界や産業全体のあり方の問題、法体系の問題、あるいは根深いマインドセットの問題に行き着いてしまい、結局のところ問題のありかを見失ってしまうのは、ありがちなことだ。

アプリを新調すれば済むと思っていたところ、OSそのものをアップデートしないとダメだ、ということが明らかになってしまう、という感じだろうか。OSのアップデートは自分のパソコンですらめんどくさいものだ。それが会社や業界や産業の、ひいては社会全体に関わるOSともなれば、簡単にアップデートできると思うほうがおかしい。当然、さまざまな軋轢が噴出することにはなる。

さらにいえば、いざOSをアップデートしましょうとなったところで、古いシステムに取って変わる新しいOSというものは、その辺で売りに出されていてとりあえずそれを購入してダウンロードして一丁あがりというものではない。そのOSは、考えながら実験され、実装されてはまた検証され、また実験され、といういつ終わるとも知れないサイクルのなかで、徐々にその姿を表してくるようなものにならざるを得ない。最初に全体を見回して、精密な設計図を書いて、それが万全であることを見越した上で実装する、という手順は、そこでは通用しないというのが大きな悩みの種となる。あらゆるアップデートは、「とりあえずやってみよう」というものにならざるを得ないのだ。

とすれば、当然、あっちは改善されたけど、こっちに新たな問題が出てきた、とか、こっちばかりが改善され、あっちはおろそかになった、といったことも出てこざるを得ない。これだけ複雑な世の中になっているのだ。いっぺんに一気に全部カタをつけることは、どう考えても至難のワザだ。であればこそ、わたしたちは当面しばらくの間、というか、いつ終わるとも知れないアップデート期間を、とても不安定な状況のなかで過ごさざるを得ないことになる。

それはとても不安で怖いことだ。不安で怖いので、あっちが改善されてもこっちはどうなんだ、といったひとつひとつの不満や矛盾が、軋轢や対立となって社会をどんどん分断していくことになる。そして、そんななかで、わたしたちは、自分がよりよく生きていくために必要な手立てや手助けを見失っていくことにもなる。

イバン・イリイチという思想家・歴史家が、コンヴィヴィアリティという考え方を、提唱したのはたしか1970年代のことだった。すでにその頃から、いまの国家や社会を動かすOSには限界が来ていることは察知されていて、それを乗り越えるための考え方、態度として、イリイチはコンヴィヴィアリティという概念を世に問うたのだった。

それは、自立共生、自律協働などと訳され、簡単に言えば、なんらかの困難や課題に直面する人やコミュニティが、自分たちの手でそれを改変・改革し、持続的に維持することができるようなシステムや制度や道具のあり方を模索するものだ。身近にある課題に、政府や産業が取り組んでくれないのであれば自分たちでやろう、ということだ。OSの例で言えば、Linuxの考え方の根底にはコンヴィヴィアリティの思想が流れている。

できるだけ外部に頼らずに、自分たちの生活を自立/自律させること。そのための仕組みや制度、道具は、いまもこれからも、ありすぎて困るということは決してないはずだ。むしろ、そうしたものが数多く社会のなかに実装され、それらが相互的にやりとりができるようになって社会全体に行き渡り始めたときに、わたしたちは、これまでの古いものとは違う、新しいOSというものの輪郭を知ることになるのだろう。

これだけ世の中が騒々しくもなってくれば、テクノロジーの進展が、いったい誰のための進展なのかということについて、開発者やクリエイターが、今一度真剣に考えるのは責務だろう。世の中便利になればそれで豊かさは自動的に実現できるのである、という発想は、すでにして古いOSのシステムのなかでの論理でしかない。
その論理からこぼれ落ちるものがいたとして、それでも安全に人の生活やコミュニティが持続できるような仕組みを、わたしたち全員が、よほどアタマを使って考えなくてはならない。

若林 恵

編集者

1971年生まれ。ロンドン、ニューヨークで幼少期を過ごす。
早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業後、平凡社入社、『月刊太陽』編集部所属。
2000年にフリー編集者として独立。以後,雑誌,書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。
音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。
2018年、黒鳥社(blkswn publishers)設立。著書『さよなら未来』(岩波書店・2018年4月刊行)。

MESSAGES

YouFabのクリエイターズコミュ二ティーからのメッセージを紹介します。

松村圭一郎

岡山大学文学部准教授 / 文化人類学者

松村圭一郎

松村圭一郎

岡山大学文学部准教授 / 文化人類学者

これから人間の創造性がますます求められる時代になる。みんなそう信じている。でも、「人間らしい創造性」とか、「クリエイティブな仕事」って、いったいどんなことを意味しているのか? 「創造性/クリエイティビティ」の定義自体を揺さぶるような、そんな作品との出会いを期待している。

Ani Liu

アーティスト、研究者、講師、アートフェロー、プリンストン

Ani Liu

Ani Liu

アーティスト、研究者、講師、アートフェロー、プリンストン

創作を通して学ぶということは本当に価値があることだと思っています。電子機器のプログラミングから細菌の操作まで、人生の中でほとんどのツールの活かし方は芸術作品を作る上で刺激を受けることで学んできました。学ぶのに最高の方法は、楽しんで情熱を持つこと。そして予期せぬ領域に偶然踏み込んだときに、最高の画期的な大発見をすることがあると信じています。YouFab-ers(YouFabに応募する方々)全員に、探求し、お互いの創作を助け合い、クリエイションを共有しつづけることを勧めます!

Bartolomeus Leonhard

Artist collective ruangrupa & Gudskul Ekosistem

Bartolomeus Leonhard

Bartolomeus Leonhard

Artist collective ruangrupa & Gudskul Ekosistem

YouFabはコンペとして形を成していますが、一方でクリエイティブなネットワークや議論のプラットフォームを拡大する方法、また他の人と知識を交換するための空間として見ることもできるでしょう。去年のテーマ「Polémica」に続いて、私たちは自分の考えを自分でやること(DIY)から他人とともにやること(DIWO)に移行し始めるかもしれません。そしてまた、私たちの環境に役立つ可能性がある想像を超えた可能性を開きます。皆さんの知識をYouFabに集結させ、そして共有しましょう。

加藤明洋

スタートバーン株式会社 エンジニア

加藤明洋

加藤明洋

スタートバーン株式会社 エンジニア

Youfabは表面的な心地よさを求めがちな現代の人々に対して、つくるとは何かということを今一度考えさせてくれる素晴らしいアワードです。テクノロジーの凄まじい発展の中で、つくること・やってみせることの意義は益々大きくなっていると感じています。なぜそれを作ったのか、どのような叫びを持っているのかといった、今だからこそ見える人とテクノロジーの新しい関係性を発見できる作品を楽しみにしています。

島影圭佑

株式会社オトングラス代表取締役、筑波大学助教

島影圭佑

島影圭佑

株式会社オトングラス代表取締役、筑波大学助教

あらゆるものが民主化/脱中心されたときに何が起こるのでしょうか?自らの手で道具をつくりだし、それが未来の社会に引き起こす強化、回復、反転、衰退を検証しながら、また道具をつくりなおす。そんなオープンエンドな営みが可能になりつつあるのではないでしょうか。自らが現実を変える道具をつくり人々を巻き込みながら、未来を思索し望ましい社会をその共同体で空想しながら今を生きる。Fabが引き起こすそんな状況が垣間見れる作品が見たいです。

川崎和也

スペキュラティヴ・ファッションデザイナー/Synflux主宰

川崎和也

川崎和也

スペキュラティヴ・ファッションデザイナー/Synflux主宰

ぼくはYoufabがはじまった2012年にファブキャンパスたる慶應義塾大学SFCに入学し、デジタルファブリケーションやバイオファブリケーションに影響を受け、自分の創作活動をスタートしました。そこでは、デザインの民主化が声高に謳われ、個人の創造性の可能性が盛んに議論されていました。ファブマインドは自分にとっての原点であり、今でも創作のインスピレーション源です。

しかしながら、昨今のプラットフォームにおける搾取構造の問題やますます複雑化する環境問題など、現在の自然/人工環境は加速度的に変化しています。あのとき掲げたファブの理想は本質的に実現されたのか? そして、ファブは本当に個人の創造性に寄与しているのか? ぼくたちは改めてそれを問い直す必要があります。

ぼくはいまこそ「ファブの次」の風景を見たい。むしろファブの概念をぐちゃぐちゃに破壊し、次の時代を示すことが重要です。Youfabにもそんな極端な作品が集まることを期待します。Youfabは、理論と実践、デザインとエンジニアリング、デジタルとフィジカル、その両者を極めたい欲張りな「ラディカルズ〈極端な人々〉」たちのためのアワードです。ファブのアップデートに向けて、ぜひ応募を!

Amy Karle

アーティスト、YouFab大賞受賞(2017)

Amy Karle

Amy Karle

アーティスト、YouFab大賞受賞(2017)

YouFabアワード受賞の1番いいところは、個人的そして仕事上の繋がりができるところです。YouFabを通してYouFabチームやクリエイティブな仕事をしている人々と知り合い、仕事のネットワークを広げる機会があったことにとても感謝しています。そしてこの度会った方の多くと友だちになれたと嬉しく考えています。わたしは仕事を続けて、受賞を通して築いた繋がりを大切にしていきます。今回の機会によって、さらに関連する仕事の機会がたくさん増えました。広がったYouFabのネットワークと繋がりを通して自分の作品を発表、共有することができるようになったのです。今回の機会は自分の成功とプラスの成長に対する心のこもった本物のサポートを受けながら、革新的なアイディアや制作の過程を共有し、自分の芸術作品を進化させ、ミッションとキャリアを進めるプラットフォームでもありました。このミッションとコミュニティーに参加できたことに本当に感謝しています。

吉泉聡

TAKT PROJECT Inc. 代表 / デザイナー

吉泉聡

吉泉聡

TAKT PROJECT Inc. 代表 / デザイナー

Fabという言葉が透明な存在に感じるくらい、デジタルファブリケーションは既に当たり前の存在となったのかもしれません。
一方で、初めはツールとしての側面が強かったそれも、より高度化し、AIを含む、一種の人格のように考えられる存在も現れ始めました。
その時人は、それらとどのように向き合うのか?そんな新しい生命感や、自然観、つまりテクノロジーと人間、そして自然との関係性の再解釈を、Youfabに期待したくなってきました……と、これは私のYoufabですが、さて、あなたのFab、Youfabはなんですか?刻々と変わるその定義、それを議論する場がYoufabだと思います。あなたの視点との出会いを楽しみにしています。

Julia

京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab. 特任教授

Julia

Julia

京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab. 特任教授

勇敢なデジタル開発者のための楽園でのデジタル制作の世界。
日々新しいツールが追加され、既存のツールも、より洗練され、進化しているように思います。
これらはクリエイターたちに提供されると同時に、あらゆる領域で新たなシナリオを模索するために、より実用的に活用されています。デジタル分野の爆発的な活性化は、伝統的な物理世界での制作活動をも生き返らせる効果をもっていました。これは特に3Dデザインの領域に言えることです。
デジタル化以前の時代には、デザイナーたちは労力をかけて試作品を実物として作っていました。彼らが大切にしていたコンセプトデザインも、現実世界の物理法則や、実際にどのように使用され得るかといった現実によって、実現困難に陥るときがあります。そのとき、素材の本質を理解して、どうやったらそのデザインの欠陥を克服できるのかを理解していくことなども、その試作品作成の過程ではあったことでしょう。
物理的な試作品は、多くの場合、スクリーン上に映すデジタル版のものに置き換えられました。結果として、ものを作りながら考えるという欠かせない技術は、すべての世代のデザイナーにおいて衰退したのです。彼らはデジタルの訓練は受けていますが、工房にいた経験はほとんどないのです。
伝統的なやり方に立ち戻ることのできる一連のデジタル制作ツールが登場したことで、ありがたいことにこの状況は劇的に覆されました。デジタルと物理の双方の対話から確信を得て、そのふたつを組み合わせて使うことができるようになったのです。
それはYouFabへの応募作品の質が高まり続けていることや、展示されたり評価されたりキュレートされるためのあらゆる可能性に開かれているものとして、クリエイターたちにとって欠かせないプラットフォームになっていることが、その証拠となっています。結果として、それは卓越性の基準点を設定することになっています。分野横断的に、お互いがお互いの標準品質を引き上げているのです。それは国際的な規模で、コンセプト段階においても、製品化実現の段階においてもそうです。
私は光栄にも、過去2年間にわたりYouFab賞に関わらせていただきました。今後もYouFab賞が盛運であることを祈ってます。前に!そして、上に!

MHD Yamen Saraiji

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科助教

MHD Yamen Saraiji

MHD Yamen Saraiji

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科助教

"研究分野では、実装を通して未来を想像します。YouFabはエンジニアリングと芸術における革新的なプロジェクトを紹介する、デザインとものづくりのクリエイティブな接続詞のようなものとして非常に興味を持ちました。特に授賞式でのパネルディスカッションでは審査員の作品の解釈を共有していただけたことで、最先端の視点を楽しませてもらいました。YouFabは世界中の様々なクリエイター、デザイナーが混ざり合って繋がる、素晴らしい機会でした。"

Michael Koehle

アーティスト

Michael Koehle

Michael Koehle

アーティスト

YouFabに評価していただきとても光栄でした。YouFabのおかげで、作品をより多くの人に届けたり、YouFabコミュニティの他のメンバーとつながりを持つ機会に巡り合うことができました。作品を披露するために日本に行ったことは素晴らしい経験となり、芸術分野でのデジタルファブリケーションに対して知見を深めることができました。

Neil Mendoza

アーティスト

Neil Mendoza

Neil Mendoza

アーティスト

YouFab授賞式に参加したことは素晴らしい経験でした。まずコンテストへのエントリーは速くて簡単にできました。コンテストのウェブサイトでは、世界中のアーティストやデザイナーからのたくさんの最先端の作品に目を引かれました。今回のことがなければ知らなかった方たちだと思います。そして、賞をもらえたということは、日本に来てこういった人々の何人かに直接会えて、新しい観客に自分の作品を発表し、YouFabチームの素晴らしいおもてなしを経験する機会があったということ。参加することを強くおすすめします!

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Organized by FabCafe

Tokyo、Kyoto、Hida、Taipei、Bangkok、Barcelona、Toulouse、Strasbourg、Monterrey、HongKong。FabCafeは、現在世界10拠点に広がるCreators’ Cafeネットワーク。そこでは、日々エリアのユニークなクリエーターが集い、出会い、才能を競い合い、発表の場を共有しています。誕生以来、世界10箇所に広がった拠点は、美味しいコーヒーと居心地の良いスペースと同時に、クリエイティブWorkshopやイベントを通じて、15000を超えるアイデアの誕生をサポートしてきました。

YouFab Global Creative Awardsは、その年間活動の集大成。それぞれの拠点キュレーターがその1年に出会ったクリエーターに声をかけて作品を集めると同時に、広くオープンに告知し世界中で生まれたユニーク作品の中から、次の時代を変えていくであろうクリエーターを発見し、応援していく活動です。

これまで数多くの受賞者が、YouFabの受賞を通じてGlobalにつながり、活躍の場を広げてきました。

From Local to Global, Global to Local。

次の時代の才能は、先端研究拠点や大学のラボだけでなく、世界の小さな町のコミュニティからもきっと生まれていくと私たちは信じています。 LocalからGlobalへの発信とその成果のLocalへの還流。そのサイクルを通じてYouFabは、世界のクリエイティブが、そしてクリエイティブビジネスがさらに面白くなっていくことをサポートしていきます。

福田 敏也

博報堂フェロー/Chief Creative x Technology Officer
大阪芸術大学デザイン学科教授
株式会社トリプルセブン・クリエイティブストラテジーズ代表取締役
FabCafe 共同設立者

多様なメディアでの Communicationをplanning / direction / consultingする。自らの会社777interacitiveでは企業の先端ニーズにこたえ、FabCafeではものづくりの未来を考え、博報堂では次世代型Creatorを育成し、大阪芸術大学ではDigitalDesign教育にあたっている。海外評価も高く世界のデザイン賞で多数の受賞歴と審査経験をもつ。